終局までの Leela の判定結果を得る

Leela の判定結果を得るには,次のように実行します。
1)『SGF』データをLeelaに読み込み,「10手戻し」ボタンを何回も押して,対局初期時の棋譜に戻します。
2)メニュー『Analyze』→『Stary/Stop Analysis』をクリックします。同時に,『Analysis Window』と『Show Histogram』にチェックを付けます。
3)「10手進み」ボタンを何回も押して,終局まで進めます。
このようにすると,下図に示すような図が得られます。


最初の戦いにおける得失評価

この碁では,左辺の最初の戦いが大きかったので,その手順を確認しておきましょう。
左側の「次の一手の棋譜並べ」で,「3子局」をクリックし,「2021-01-25  H. Saku ...」をクリックすると,棋譜の終局図が表示されます。そこで,手数窓 No. に「59」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


上図の状態から,送りボタン >> を押して,再確認のために,戻しボタン << を押して,手順を見ておきます。

勝率ヒストグラムの逆転場所に注目する

最初の図には,勝率ヒストグラムが表示されています。最初の戦いの結果,勝率ヒストグラムが逆転しますが,その手前をクリックします。
次に,解析結果 Analysis - Score Estimate に示されている候補点の一つ(例えば,矢印の C8 )をクリックしてみましょう。


下図のように,候補点( C8 )に打った後の想定展開図が示されます。

左側の「次の一手の棋譜並べ」でみた実践譜と想定展開図を比較すると,その優劣が良くわかるでしょう。
想定展開図では,左辺の黒は安泰であり,中央の黒も右辺へ頭を出しています。黒地は4か所あるのに対して,白地はほとんどありません。このようになれば,黒の完勝譜でした。

その後の展開をどう見るか?

左側の「次の一手の棋譜並べ」で,左辺の戦い(59~ 75)を見ると,黒は大きく取られはしましたが,攻め取りです。しかも,先手は黒になっています。
左側の手数窓 No. に「76」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,上辺からの黒の進出の様子が見られます。これらの手はほとんど必然で,白に悪手があるわけではありません。
黒 80 の時点での局面を下図に示します。勝率ヒストグラムは,まだ白が優勢です。


上辺の折衝の後,前述の勝率ヒストグラムの逆転も再逆転に転じています。このように考えると,左辺で大きく取られはしましたが,局勢は悪くなかったのです。
それどころか,勝率ヒストグラムの再逆転後は,非常に高い勝率になっています。一例として「次の一手の棋譜並べ」の手数窓 No. に「115」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。


上図で,黒が赤丸に打てば,白が三角に打っても,黒四角で白を取ることができました。
この手順を逃して,白が三角につなぎました。しかし,黒(118)は,右上を大きく地にしようと狙っています。左下の折衝の後,白(139)は右上の三々に入ってきました。
右下,右辺を打ち合った後,右上に戻って,白(213)と右上をハネました。この手は放置すれば,右辺の白と接続すると思いましたが,右辺の黒(194)の下がりがあるので,接続できませんでした。
そのため,下図のように打てば,コウにすることができました。コウ材は黒にたくさんあるので,黒は勝つことができました。


この碁は,黒から3回勝つ手順がありましたが,いずれも逃して,白の 6.5 目勝ちとなりました。黒にとっては,最初の戦いの後悔を引きずるものになりました。